🌟第4回:超音波洗浄で“石”を洗う|自宅でできるダイヤの検証ステップ

CITIZENの超音波洗浄機に水を入れる スクラップ解体・資源回収

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はじめに:見つけた“ダイヤかもしれない”石を検査

都市鉱山シリーズもいよいよ中盤。前回までに、ジャンクからダイヤらしき石を採取し、初期検査を終えました。今回はそれをより確実に検証し、価値ある“宝石”に仕上げるステップです。

取り出した“石”の現状:ホコリまみれのかけらたち

スクラップの中から発掘した宝石パーツ。
ぱっと見は「おお、これは……?」と期待できる輝きがありますが、現実はそう甘くありません。

  • 表面には油脂、よごれ、時には金属粉も。※ダイヤモンドは親油性があり、油脂を含むよごれとよくなじみます。
  • 初回テストでダイヤモンドテスターが反応した石も、よく見ると汚れが光を遮っていたし、反応もイマイチ鈍かった。

このままでは正しい観察も検査もできません。
次にすべきは「洗うこと」。ただし、普通に洗ってもダメ。そこで登場するのが超音波洗浄器です。

超音波洗浄で“石”を洗う:茶こしと洗浄器の裏技

使用した機材:

  • 超音波洗浄機 CITIZEN SW5800
  • ステンレス製の茶こし(網目の細かいものが理想)
  • 貴金属洗浄用濃縮洗浄液バフカスおとし BF-20(これマジでぴかぴかになる!)
  • 水道水
超音波洗浄機 CITIZEN SW5800

超音波洗浄機 CITIZEN SW5800 長く使っています。今は後継機種が販売されています。

茶こし

茶こしは捨てずにとっておいた使い古しです…

貴金属洗浄用バフカスおとし濃縮洗浄液BF-20

貴金属洗浄用濃縮洗浄液バフカスおとし BF-20:濃縮液のためキャップで量って薄めて使います…

洗浄方法:

  1. パーツを茶こしに入れる(飛び散り・紛失防止)
  2. 洗浄液を入れた超音波洗浄器に茶こしごと沈める
  3. 3分〜5分洗浄(2回程度繰り返すのが効果的)

※注意:超音波の衝撃で石や爪が外れることがあるため、脆い素材は避けましょう。

超音波洗浄機で茶こしにダイヤを入れて洗浄中

じじいいい〜って独特な音がします…

桶でダイヤを濯ぐ作業

濯ぎが肝心:流し台で濯ぐと無くす可能性があるため、桶で作業します。前に排水溝にダイヤ流したことがある…

洗浄後:ぴかぴかに!

洗浄前は曇っていた石も、洗浄後にはクリアな光沢とファセットの反射が蘇る
とくにホコリと油よごれが取れるだけで、印象がガラリと変わります。

ダイヤモンドの顕微鏡写真

きれいになったおかげでカットの悪さや内包物にも気づきやすくなります…

洗浄後の観察と再検査:USB顕微鏡が本領発揮

ここで再びUSB顕微鏡の登場です。第2回では初見観察でしたが、洗浄後こそ本領発揮

観察ポイント:

  • ファセットの精度や左右対称性
  • インクルージョン(内包物)の有無や形状
  • ガラスやCZとの違い(細かい傷・気泡)
USB顕微鏡

50X〜1600Xと表記があるが、実際に1600倍拡大されてるのかどうかはわからない…銀色の回転ノブを回してピントを合わせるマニュアルフォーカスです。コツは、あらかじめ最小であわせておくことです。少しずつ拡大して合わせていきましょう。

検査ツール:

  • ダイヤモンドテスター
  • モアッサナイトテスター

ここで重要なのは、「第一印象と結果が違うことがある」こと。
※汚れを落として初めて、テスターが反応しなかった石が反応する場合もあります。(見逃し注意)

ダイヤモンドテスター

ダイヤモンドであればゲージが一気に赤いレベルまで振り切ります!ゲージの動きがゆっくりだったり、反応がない場合はダイヤではありません…※但し、モアッサナイトやCVD合成ダイヤモンドの判別はできません。後述するモアッサナイトテスターによる2重チェックは、ほぼ必須となっています。

ダイヤモンドテスターの検査

ひと粒づつ丁寧に検査します。洗浄前よりはっきりと反応するようになりました…

モアッサナイトテスター

合成モアッサナイトは熱伝導率がダイヤモンドに近いために、ダイヤモンドテスターでは判定できません。(ほぼダイヤモンドと同じ反応をしてしまいます。)そのため、モアッサナイトテスターで2重に検査する必要があります。

モアッサナイトテスター

↓マルチテスターといってはじめから1台2役兼用のテスターもあります。

蛍光性のチェック

ダイヤモンドには蛍光性ありとなしのものがあります。蛍光性のチェックは専用のUVライトを使用します。

蛍光製の検査

青白く反応していますね…

超音波洗浄は検査前に必須

今回は、発掘した石の「正体」に一歩近づくステップを踏みました。

  • 超音波洗浄は、単なるクリーニングではなく、観察と検査のための“準備”です
  • 見た目の違いはもちろん、テスターの結果にも影響
  • このプロセスを経て、ようやく“ダイヤかどうか”を語れる状態に

まとめと今後について

今回の超音波洗浄とテスター検査で、都市鉱山からのダイヤ採掘作業は一旦ひと段落です。主要な機材もすべて紹介しましたので、このシリーズはここで完結とさせていただきます。

今後は、今回紹介した機材の活用法や新たなスクラップ探索テーマで、さらに面白い発見を目指していきたいと思います。気になる機材リンクは記事内にまとめてありますので、ぜひチェックしてみてください!


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